ダイバーシティ・トレーニング第1回 開催のご報告
8月22日(土)に、射水市太閤山コミュニティセンターで、ダイバーシティ・トレーニングの第1回として、「ちがいに気づく」を開催しました。
まずは、前回のダイバーシティ・トレーニング理論編のふりかえりからのスタートです。
前回は、時間が足りずに話すことができなかった文化の意味についての話がありました。
関心のある方は、画像をクリックしてお読みください。
例えば、国際交流の現場において、目に見える表面的なことや、知覚し、意識し得る部分だけをもって理解しようとする態度では、衝突は避けられません。当事者同士が知覚していない部分に目を向け、そうした部分があることを意識しない限り、真に理解し合うことは困難です。表面的なちがいや、分かり合える部分だけの文化的差異を見て、相手のことを理解したつもりになっていても、いざ何かトラブルが発生したときに、表面的な理解を放棄するばかりではなく、「あの人は外国人だから」と、深層的なちがいの存在からも目をそむけてしまう人が少なからずいるのが現状です。こうした態度では、いつまでたっても多文化共生は進みませんよね。こうした部分の気付きの端緒になる最初の話でした。
そして、本日のワークショップ「ちがいに気付く」です。
まずは自分の短所を2~3個出すところからスタート。
皆さんからは、いろいろな短所についての意見が出ました。
その後、それを短所ではなく長所に変換していきます。
例えば、「頼まれごとを断れない」なら、「思いやりがある」に、「後先考えずに行動する」なら、「実行力がある」など。
短所と聞くと、それをなくそうとするけれど、短所と長所は表裏一体。
短所をなくすことが、長所を失うことになってしまいます。なくすのではなく、それを長所に変えて活かしていくこと。
その発想の転換が大切だということに気付くワークでした。
すると、参加者のお1人から、「昔からできないことを無理やりやらされそうになると、ますますできなくなったけど、できることを伸ばそうとすると、自然とできないこともできるようになってきた。先生は枠にはめたがる人が多いけれど、凸凹をなくそうとするのではなく、凸をのばす教育が大切だと思う」というご意見があり、参加者一同深く頷く場面もありました。
次のワークでは、男らしさ、女らしさで思いつく言葉をたくさん挙げてもらい、知らず知らず、枠の外にはみ出してはいけないという意識で生きてきた「男」としての、「女」のしての自分がいなかったかという点を考えました。
ここでは、「植えつけられた価値観で物事を見ていた自分がいたと思う。もっと寛容になりたい」というご意見が出てきました。
今回はまだまだワークが続きます。
続いて、発達障がいについて考えるワークでした。
発達障がいは目に見えにくい障がいです。それゆえ余計に生きづらさを感じる人たちが多いのも事実。
そんな発達障がいの人が近くにいた場合、自分はどうしたらいいだろう、そんなことを考えるワークとなりました。
ここでは、おせっかいにならずに、でも理解する、本人ではなく、周囲の理解が変わることの大切さについての声が出てきました。
そして最後にもう一つ、障がいを選ぶというワーク。
自分に障がいがあったら、を考え、なぜそれを選んだか、または選ばなかったかを話し合いました。
そこで出てきたのが50年前だったら、きっともっと障がいがある人は生きづらかったであろうという意見。
社会に認められた障がいであれば、障がいを感じずに生きられるようになっているものもある。それは50年前とは全然ちがっていて、きっと50年後はもっとそうなるだろう。そのために私たち一人一人ができることは、やはり身近でダイバーシティを進めていくことじゃないか。そんなことを話し合い、とても内容の濃い3時間のダイバーシティ・トレーニングを終えました。
アンケートでは、「世界観が広がった。想像力を持って人と接したい」、「他人やちがいを受け入れるだけでなく、自分が普段どう意識して行動しているか考えるいい機会になった」、「仕事に見方を生かしてみようと思った」等のご意見をいただきました。
ダイバーシティ・トレーニングはこの後もまだまだ続きますが、今回の内容だけでも、もっとたくさんの方に体験してほしい。そんなワークショップになっていますよ。
これからもダイバーシティ・トレーニング、いろいろ企画していきますので、またぜひご参加ください。
なお、今年度のダイバーシティ・トレーニングのスケジュールは
第0回 ダイバーシティ理論(終了)
第1回 ちがいに気付く(終了)
第2回 多文化リテラシー
第3回 ダイバーシティ・リーダーシップ
第4回 ダイバーシティ・マネージメント
第5回 アサーティブなコミュニケーション
第6回 2つの文化を考える
第7回 対立の解消
特別セミナー LGBT(予定)