6月, 2014年
ダイバーシティ・カフェvo.1開催報告
6月20日(金)、射水市太閤山コミュニティセンターで、第1回のダイバーシティ・カフェを開催しました。
ブログ「『ダイバーシティとやま』な日々」で取材させていただいた多様な生き方や想い。これを活字だけでご紹介するのではなく、実際に、ご本人の生の声でみなさんにお届けしたい!と思い、これから毎月一回程度開催していこうという企画が今回の「ダイバーシティ・カフェ」。ご本人の生の声を聞きつつ、参加者同士が行き交う「ちがいのわかるカフェ」で、ダイバーシティを体内に注ぎ込みます。
カフェオープンとなる記念すべき第1回。その最初の語り部として来てくださったのが、コミュニティ・カフェひとのまの共同代表 元島しょう さんでした。高岡市にあるコミュニティ・カフェひとのまは、赤ちゃんからお年寄りまで誰もが集う、まさにダイバーシティそのものを体現している場所。そこには不登校やひきこもり、就業困難などさまざまな困難を抱える若者が過ごせるひとのま学園をはじめ、他にもたくさんの相談業務等が持ち込まれ、東奔西走、八面六臂の大活躍をしているのが元島さんなのです。
元島さんをご紹介しているブログ記事は、こちらをお読みください。
「ダイバーシティとやま」な日々今日の人100.元島しょうさん
やはり、実際にカフェでお話を聞いてみると、元島さんのたくさんのエピソードが飛び出しました。彼のあたたかくて、誰もが包みこまれるようなそんなオーラそのままに、カフェ全体が、あたたかな空気に包まれました。ひとのまでは「あの人、ヘン!」と言われている人がヘンに見えない。そこはかとなく、おかしく面白い。そんな元島さんは、偽善的なことが大嫌いなのです。
今の世の中、あまりに偽善的なことが多すぎるんじゃないか。元島さんは、日本福祉大学に在学していたのですが、当時、障がい者だからといって、誰一人として特別扱いすることはしなかった。誤解を恐れずに言えば、「愛のあるイジリもアリ」だった。下手に気遣い笑顔で取り繕ったり、見て見ぬふりをするくらいなら、愛情持ってイジる方が、嘘や偽善はないと言う。なぜなら、そこには仲間を大事にしたくてたまらない感覚があるから。
元島さんのお話を聞いていると、元島さんのあったかさは、やはりご両親の存在も大きいのだろうなと思います。ここのあたりの話は、ブログにも掲載してありますので、ぜひ読んでいただきたいのですが、元島さんのご両親は、元島さんが一般的に言うところの不良少年を家に連れてきても、分け隔てなく接する愛にあふれる人でした。元島さんがどんなに荒れていても、息子を心から信じてくれていることが、ひしひしと伝わってくる。
成績はトップクラス、生徒会長も務めていた元島さんが学校に行かなくなったのは、学校の先生たちが、生徒の表面しか見ない部分が見えてしまったから。そういうところに失望した部分が大きかったのです。例えば、こんなエピソードです。調理実習の時間に、塩じゃなくて砂糖を入れた生徒がいました。この生徒を頭ごなしに叱る先生を目の当たりにします。その子は親が離婚して、そういうちょっと変わった行動をすることでしか自分の心を表現できないことは、まわりの生徒はみんな知っている。なのに、先生には表面しか見えておらず、その子の心がわかっていない。
でも、いい先生方との出会いもありました。高校生の時、国語の穴埋めのプリント(作者と作品を結びつけるもの)に「こんなことやって何になるんだ」と疑問を感じ、授業のものは一切やらずに、その当時、好きだった高村光太郎の詩をノートに書いていました。すると机間巡視していた年配のジイチャン先生が、「お前はいい男になる見込みがある」と言ってくれたのです。そんな風にほめてくれたことはずっと心に残っているし、自分の自信になる。大学のゼミの先生も大好きでしたし、その時その時の素敵な出会いが元島さんの心に灯りを灯してくれました。
最後は、元島さんが作詞作曲した歌を聴かせていただきました。とっても優しくて切ない歌声に、会場に来ていたみなさんはすっかりファンに。
元島さんは、喉が乾いて水を飲むようにギターを弾き、歌を歌っています。詩や小説も書いています。社会人になりたての頃、社会の枠に自分を合わせようとしたけれど、それがとても息苦しかった。何かに合わせていくのではなく、どこまで自分自身のままでいられるか、自分のありのままを受け入れ、心の中に降りていく生き方。それが元島さんの生き方のテーマなのかもしれません。そして、自分自身でいられる営みがギターであり、歌であり、小説であり、詩なのです。元島さんの詩や小説、今度、ぜひ読みたいですね。
元島さんは、ときどきライブでも歌っていらっしゃいます。高岡駅の通路でもよく歌っていらっしゃいます。みなさんもぜひ一度、彼の素敵な歌声に触れてみてください。きっといつもより素直な自分に出会えることでしょう。
こんな風に、みなさんとともに、とても素敵な時間を過ごせた第1回のダイバーシティ・カフェになりました。
次回は、7月18日(金)18時半から、射水市太閤山コミュニティセンターの和室にて開催予定です。
語り部は、小矢部で伝説を作り続けている 山科 森 さんをお迎えします!
とやまのてっぺんでダイバーシティを考える夏期大学のお知らせ
今年もやります! 恒例の夏の行事。 富山県で最も標高の高い地点からダイバーシティの視座で俯瞰します。 いったい何が見えるのか!? それは、参加してのお楽しみ☆ また、今年度はAコース、Bコースの2コースを用意いたしました。 Aコースには日本のダイバーシティの最高峰の田村太郎さんをお招きしています。 竜虎相見える状況。想像するだに武者震いします。 ☆☆☆以下、ご案内!☆☆☆ とやまのてっぺんでダイバーシティを考える夏期大学 とやま最高峰。眼下に広がる夕焼けに包まれた富山平野。 漆黒の天空に煌めく星々の輝き。そして ご来光。 多様に移ろいゆく贅沢な時間を満喫しつつ ダイバーシティを考えます。 ■Aコース 「田村太郎とてっぺんで考えるダイバーシティ」 日 時:8月9日(土)~10日(日)1泊2日 8月9日14時 立山駅集合 室堂散策(雷鳥沢山荘宿泊) 8月10日 雷鳥沢~室堂~一の越~雄山~室堂(下山) ■Bコース 「三山縦走で新月のダイバーシティを貫く」 日 時:9月23日(祝)~24日(水)1泊2日 9月23日8時 立山駅集合 室堂~浄土山~雄山~大汝山~富士ノ折立~別山(内蔵助山荘宿泊) 9月24日 別山~雷鳥沢~室堂(下山) 参加費:17,000円/コース(交通費・1泊2食〈夕・朝〉代・保険・研修費込) 初日の昼食のほか、飲み物、嗜好品は各自持参 服 装:登山に適した服装(着替え必須) 携行品:初日の昼食、水筒、雨具、防寒具、軍手、ヘッドライトなど 定 員:10名程度/コース ※希望者が多い場合は抽選します。 その他:各コースとも参加費等は同じです。 荒天時は中止(当日早朝に連絡します) ご注意:山岳地につき、携帯電話、トイレ等、著しく制限があります。 ※健康な方ならどなたでも参加できます。 ■お問合せ/お申込み お申込み先 E-mail:diversity.t@gmail.com お問合せ先 Tel:090-9440-6657(柴垣) 主催:NGOダイバーシティとやま/共催:一般財団法人ダイバーシティ研究所
2014年度定期総会&ワークショップ開催のご報告
6月1日に2014年度の定期総会及びワークショップを開催しました。
定期総会では2013年度の事業報告と2014年度の事業計画についてお諮りしました。
詳しくは資料の方を見ていただきたいと思いますが、2014年度はざっと次のような計画で進めていきたいと思っています。
Ⅰ.”ちがい”に気づく事業
1.NGOダイバーシティとやま定期フォーラム開催事業
2.「ひとめでわかる!ここが富山のダイバーシティ大賞」調査実施事業
3.ちがいがわかるヒューマンスクランブル事業
(1)ちがいがわかるダイバーシティ・カフェ開店事業
(2)ちがいがわかるダイバーシティな人々出版事業
4.世界自閉症啓発デー・ライトアップ事業
5.普及啓発事業
(1)研修・講演受託・執筆事業
(2)ウェブサイト「ダイバーシティとやま」運営事業
(3)普及啓発用パンフレット作成配布事業
Ⅱ.”ちがい”を活かす事業
1.「ダイバーシティ・ビーチ・キャンプ」開催事業
2.All in All is All we are副読本作成事業
Ⅲ.”ちがい”が光る事業
1.「多様性が創る夢の実現~presenter’s present~」報告会開催事業
2.「とやまのてっぺんでダイバーシティを考える夏期大学」開催事業
3.ダイバーシティ人材育成事業
(1)「ダイバーシティ研修会」開催事業
(2)「ダイバーシティ・マネージャー養成講座」開催事業
4.ブログ「ダイバーシティとやまな日々」配信事業
詳しくご覧になりたい方はぜひこちらをご覧ください。
http://diversity-toyama.org/?p=1145
総会に続き、ワークショップ「私の取扱い説明書を作ろう!」を開催しました。
グループ分けからスタート グループに分かれてワークシートを書き込む作業スタート
ワークシートはこんな感じです。名前、出身地、職業などありふれた項目のほか、見なれない質問項目があります。
これこそが、このワークのポイントになる部分です。
ワークシートを書き込む作業は自分と向き合う作業。そして、自分でも気づかなかった自分に出会える作業でもあります。
自分のことをよく知る親しい人と一緒に作業すると、さらに意外な一面を発見できるかもしれません。
初めて出会った人も多い中、各グループでのワークは大変盛り上がっていました。
一人ひとりが自分の取扱い説明書をグループ内で発表し、質疑を繰り返す中で、どんどんわかりやすく、面白い説明書が出来てきます。
グループ内での共有が終わったあと、グループからお一人ずつ、取扱い説明書を発表していただきました。
発表の仕方にもいろいろな個性が光り、多様な取扱い説明書が完成しました。
発表する中で、これは、ありきたりの自己紹介ではなく、しっかりと自分のことを相手に伝える自己紹介に使える有効なツールだということを発見。
「このシートはこれからさまざまな場で活用できそうだ」「自分のことを見つめるいい機会になった」「職場でぜひ使ってみたい」等の意見をいただきました。
ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。
2013年度事業報告及び2014年度事業計画について
本日、2014年度定期総会において承認されました2013年度事業報告と2014年度事業計画について、掲載いたします。