10月, 2025年
留学生向け多文化防災訓練カード&避難所設置ワークショップ開催のご報告
2025年9月17日、富山国際学院に通う留学生&聴講生が多文化防災訓練カードと避難所設置ワークショップを体験しました。
講師は前日の避難所のジオラマ作りワークショップも担当してくださった長野の感環自然村の坂井公敦さんと静岡のCoActの渡嘉敷唯之さん。
まずは全員集まってスタートです。
アメリカで消防士や救命救急士として活躍していた坂井さんが学生たちに教えてくださった言葉は「”If you wait until you can do everything for everybody, instead of something for somebody, you’ll end up doing nothing for nobody.”」「みんなのためにすべてをできるようになるまで待っていたら、誰か一人のために何かをすることさえできず、結局は誰のためにも何もしないまま終わってしまう。」
この言葉を胸に、学生たちのワークショップが始まりました。
全部で60名近くの学生がいるので、避難所設置訓練と多文化防災訓練カードの2つのグループにわかれて、交代で両方のワークを行いました。
避難所設置訓練のグループは、段ボールベッドと段ボールトイレを作るところからスタート。
寝心地はどうかな? 4人で座っても全く壊れません!
講師の坂井さんもびっくりされていたのは、学生たちは説明書も読まずにスイスイベッドを組み立ててしまったこと。日本人はとにかくマニュアル通りにきちんと、という部分が強いのですが、外国人留学生は自分で考えて手を動かすことが得意。これは幼い時から、農業等の家の手伝いをするのが当たり前の環境にいるので、体や手を動かすのが得意な学生が多いことも大いに影響しているのかなと感じました。
一度に50人分作れる非常食作りも体験。回転ずしのアルバイトでご飯を混ぜているので、50人分もなんのその!
8リットルの水で1時間で作れることに、びっくりする学生も。
避難所で必要なものをみんなで考えます。
この日は会場に来るまでに車椅子を押してきてくれた学生もいて、どうやったら安全に避難できるか、急に避難しなければならなくなった時に、何を用意しておいたらいいか等、みんなで考えました。
多文化防災訓練カードのグループは更に少人数のグループにわかれて、カードゲームに取り組みました。
カードゲームでは、地震や台風が発生した時に、何が起きるのか、何を用意するのか等について各グループで話し合って発表しました。
そこで感じたことは、やはり幼い時から学校で防災教育を受けている日本の学生と持っている基礎情報が全然ちがうのだなということでした。
しかし、留学生が自分の力を発揮できるところ、予備知識がなくて苦戦するところ、そういうことがわかったのも、今回のワークショップをやった意義が大きいと感じました。
この多文化防災訓練カードは、より使いやすいものに改良して、全国の外国人住民の皆さんが使えるように作っていきたいと思っています。
この多文化防災訓練カードの作成は、共創の未来実行委員会とも一緒に取り組んでいく予定です。
今回のワークショップも、共創の未来とやま実行委員会との共催で開催しました。
9月18日付け 北日本新聞 富山新聞














