12月, 2013年

ダイバーシティ・サバイバルキャンプのご報告

2013-12-02

夏休みの最後の休日。8月31日~9月1日の一泊二日、NPO真おやじ塾のみなさんと一緒に生物多様性の地、土遊野でダイバーシティ・サバイバルキャンプを開催しました。

前日は台風で大荒れの天候。キャンプが開催できるのか、本当に危ぶまれましたが、なんと当日はお天気が回復!ありがたいことです。

予定どおりに無事にキャンプをスタートすることができました。

キャンプの参加者は小学生から中学生、そして大人も合わせて20数名となりました。

まず、土遊野の橋本さんから、土遊野でのルールのお話です。難しいことではなく、土遊野にはいろんな動物や虫達もいますので、自然と共に生きていることを自覚しよう!みんな一緒に生きている、っていうことを忘れずに接してあげよう!ということです。急に走ったり、大声を出したりすると、自然相手だと、びっくりしてしまう生き物もいますよってことです。

そして、次には「命の授業」も。

土遊野には、鶏もたくさん飼われています。暗い檻の中に閉じ込められて飼育されたものではなく、橋本さんが毎日、丹念にお世話をしてきた鶏たちです。

私たちは、いつも鶏を食べているけれど、それは、もともとは生きていた鶏の命をいただいていることなんだ。

今まで動いていて温かかった鶏。その生命をいただいているんだよ、ということを土遊野の橋本さんから教えてもらいました。

スーパーで、パックで売られた肉は、無機質で、命を感じることができないかもしれないけど、今日、ここではわかるよね。今、鶏の命をいただいているんだよ。私たちは、毎日、こうして命をいただいて生きているんだよ。生きている鶏を目の前にすると、まさにそれを感じることができるのでした。

みんな神妙な面持ちで話を聴きました。そして、食べるために、羽をむしるのです。いただいた命を精一杯、美味しくいただく。そのために、一本一本、丁寧に羽を取り除いていきます。子どもたちも自分たちの手でやり遂げました。

生きていた鶏がスーパーで売られているような肉片に捌かれていく様子を見るのも初めてです。橋本さんが、丁寧に丁寧に、命を大切にするように切り分けていきます。その気持ちが伝わったのか、子どもたちも鶏肉が切り分けられていく様子を真剣に見守っています。

次に、魚を捕る仕掛けをペットボトルで作ります。身近な材料で、魚を取る。すなわちサバイバル技術を学びます。魚の習性を利用して、簡単な仕掛けで魚を取ろうというものです。おやじさんたちのスキルがいかんなく発揮される瞬間です。子どもたちの中には、こんな仕掛けで魚が取れるのかな?と半信半疑に思っている子もいたかもしれませんが、結果は翌日に判明します。これを川に仕掛けるため、河原に出かけ、おやじさんたちにヒントを得ながら、子どもたちが各々に魚の来そうなポイントに仕掛けを設置していきます。

そして、夕食のための準備。自分たちが使うコップは竹で作ります。みんな真剣そのもの。長い竹を、順番にのこぎりで切っていき、切った後に、飲み口がささくれないようにナイフで丁寧に加工し、その後、おやじさんたちが、バーナーで竹カップを焙り、きれいに仕上げてくださいました。

ペットボトルの仕掛けを川で仕掛けます。どこがいっぱい捕れるかな。

そして夕食の準備。かまどに火をつけ、いよいよ料理するぞ!という瞬間、ここに来て、猛烈な雨が降ってきました。でも、安心です。なぜなら、土遊野には昔の小学校の冬季分校の建物が残っているので、旧校舎の体育館(といっても旧家屋の大きな座敷程度です)で、調理続行です。

今回、ダイバーシティサバイバルキャンプなので、パキスタン出身の子どもも参加していました。ムスリムなので豚肉はNGです。ですので、ハラール対応の鶏肉や豚肉エキスの入っていないルーのカレーも作りました。国籍や宗教の違いによって、食べるものも異なるんだなーということを知るのことも、子どもたちにとってはとても大事なことです。

夕食の後は、子どもたちが自分たちの夢を発表。

その夢に対して大人がメンタリングをするというとても素敵な時間になりました。

学校の中にはいろいろなプログラムがあり、社会見学・体験の授業もありますが、さらに一歩、外に出て、直に大人と接する機会はなかなかないものです。ですので、難しく言うと、子ども自らが持っている夢に対する社会的価値観を客観的に評価することは、なかなか困難です。(大人でも難しい。。。T-T;)

しかし、ちがいを活かしていくことこそ、ダイバーシティの醍醐味!ひとりひとりの異なる夢に対して、これまた様々な人生経験、就業体験を持つ大人たちが、その夢がさらに飛躍していくためのスペシャルアドバイスを行いました。これは、大人→子どもへの一方通行ではなく、子どもの夢に、大人も刺激されるとっても豊かで濃密な時間になりました。

 

 

夜の部は、中学生は夜中まで大はしゃぎでした。夏なので怪談でも盛り上がっていたようです。お疲れさまー。

翌朝、魚の仕掛けを見に行きます。います!います!たくさん仕掛けのペットボトルに魚が入っています。仕掛けを引き上げると、小魚が入っていて、子どもたちは大喜びです。

さて、土遊野には、鶏だけでなく、山羊もいるのです。ヤギといえば・・・、そう、ペーター!ではなく、ヤギのお乳です。お乳はもちろん、ヤギの子どものためのものですが、今回、乳搾りも体験させていただきました。昔は、おっぱいの出ないお母さん(人間)は山羊の乳を代わりに飲ませていたそうです。それくらい人間にとってもとてもいい乳が山羊のお乳です。

鶏舎もあって、産みたての卵をとった子どもたちは「あったかい!!」ここでも命を感じることができました。

そして産みたて卵の卵かけごはんは最高に美味しかった(^^)

朝ごはんの後はストーンペインティング。川原の石を使って、思い思いに好きなものをペイントしていきます。

子どもたち、素敵な作品をたくさん作っていました。

参加した小中学生には夏休みの最後にとてもいい思い出ができましたし、私たち大人も、生物多様性の地で多様性について考えるという機会を持てました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月2日付 北日本新聞

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