5月, 2024年

「外国人住民のみなさんと考えるやさしいまちづくり」開催報告

2024-05-01

4月29日(祝)に「外国人住民のみなさんと考えるやさしいまちづくり」と題して、2部構成のパネルディスカッションとパキスタンカレーの炊き出し体験を開催しました。
第1部は、ムスリム女性のための診察ガイドブックの作成報告を兼ねて、「ムスリム女性と考えるやさしいまちづくり」をテーマに、ファティン・アミラさん、白澤亜美菜さん、ファティマさん、ザハラさん、そして、富山大学国際医療研究会KIK宮澤正咲さん、辻和奏さん、石田瑞都さん、キャンナス高岡野村の長守加代子さんを迎えてのパネルディスカッション。
みなさんからは、医療の話題として、女性の医師がいるいない等の情報がないことや、日本の病院システムがわからない等の情報不足であること等といった困りごとのご意見があった一方で、日本の医療技術が信頼できる点や診察が丁寧であるといった助かっているとのお話もありました。医療以外のことについては、お祈りの場所や食事のことなど配慮してほしいことへのご意見があり、こうしたことをガイドブックとして網羅していることへの感謝の言葉もありました。
また、ガイドブック作成に協力くださった日本人のみなさんからも、ガイドブック作成に携わって初めて知ったことや、あらかじめ知識として知っていれば、接し方、話し方、伝え方ももっともっと配慮できるのではないかとのご意見や、医療機関にガイドブックを備えておくことで、安心して暮らせる富山になるのではないかとの期待の言葉もありました。
ガイドブック作成にあたっては、
・双方向性(ムスリム女性側と日本の医療機関側への双方向へと情報を伝えること)、
・暗黙のルールの明文化(日本の当たり前は外国人の当たり前ではないこと)、
・客観性(一部の人の意見ではなく、アンケートによる一定数の意見を集約化)
に配慮しており、まずは小さな一歩になるかもしれませんが、ムスリムの助成や医療機関へガイドブックを配布していくことで、やさしいまちづくりへと前進できるのではないかな、と期待を抱かせるご発言が多く寄せられました。

 

 

 

 

 

 

 

第2部では、(一財)ダイバーシティ研究所の田村太郎さんをコーディネーターに迎え、「災害とやさしいまちづくり」と題して、(一社)TMCとやまムスリムセンター代表のサリム・マゼンさん、協働組合Ponte代表のクエン・タン・ダンさん、富山ネパール文化交流協会代表のダルマ・ラマさん、富山日伯友の会代表・防災士の木口エルメス実さんによるパネルディスカッションを行いました。
外国人パネリストのみなさんからは、それぞれの活動を通じて多文化共生に必要なこと、やさしいまちづくりに求められること等、お話いただきました。みなさんのお話の中からは、すでに日本社会は外国人の存在失くしては考えられない段階にあり、単に「みんな仲良く」といった表面的な多文化共生ではなく、真にともに生きるパートナーとして、外国人だから、日本人だからとわけて考えていくのではないステージの多文化共生が求められているのだと、深く深く認識することができました。田村さんから、災害対応や、今後の日本社会のあり方を考えたとき、外国人との多文化共生は避けては通れないものとなっている言葉に会場一同、納得の第2部となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 
第3部では、能登半島地震で炊き出しをしてきた本場のパキスタンカレーをいただきました。みなさんの笑顔を見ていると、参加者同士でのつながりを深め、多文化共生だけでなく、それぞれひとりひとりのちがいを認め合い、それらを活かしていくダイバーシティ社会への一歩となったと感じることができました。
参加者のみなさま、関係のみなさま、どうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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