災害時に多様な属性に配慮できる研修会でした。
2019年6月28日、福井市湊公民館で「災害が起きたら!~どんなことに困る?どうしたらいい?~」という演題での講義とグループワークを行ってきました。
お話の軸は、3つの「わからない」について、考えてみましょう!というものです。
1つめは、今まさに災害が起きた瞬間、何が起きているのか「わからない」ということ。
2つめは、その次に、どうしたらいいのか「わからない」ということ。
3つめは、最終的に、元の生活に戻る方法が「わからない」ということ。
1つめは、何が起きたのか、正しく判断できるかどうかということ。これは地震なのか水害なのか、はたまた人災(戦争やテロなど)なのかということですね。現実に起きていることを正しく認識するためには、事前の予備知識や備えが必要ですし、それによって、大きく判断が変わってきます。
2つめは、いわゆる避難行動ですね。初動の部分でどう行動していくのか。災害大国(というのも変な言い方ですが)の日本では、具体的な行動様式がかなり浸透していますが、世界的にみても、多くの人は地震を体験していないばかりか、その言葉すら知らないこともありますので、事後の対処行動に大きな乖離が出てきます。
3つめは、生活再建の部分です。日本には公的な支援制度がたくさんありますが、その存在すら知らないと、生活再建の道がひどく困難な道になってしまいます。公的支援を活用できる人とそうでない人は、その再建のプロセスに大きなちがいが出てきます。
こんな3つの「わからない」にポイントを置きながらお話を進め、後半には、参加者のみなさんに、具体的なワークに取り組んでいただきました。
今回は、各グループに外国人の方にもご参加いただき、それぞれの視点での「わからない」ということにも、お話いただきました。
そんなこともあり、グループワークでは活発な話し合いが行われ、大変、にぎやかでした。
地区単位で、当該地区住民が話し合う場があるということも、とても大切なことのひとつですね。
研修をコーディネートしている側ではありますが、大変、学びの多い場でもありました。こうした地域に根差したものが、もっともっといろいろあるといいなと思いました。
今回、この研修を企画された湊公民館さまは、日頃からいろいろな地域活動を展開なさっているようで、「外国人も含めた地域の防災ってどうなの?」ってところから今日の研修に至ったようです。湊地区は、福井市内でも最も外国人が多く住んでいる地域なんです。
参加者のみなさんからは、本当にいろいろなご意見もいただきました。
こういう地区単位での防災への取り組みなど、いろいろと企画立案、実行していくと実りあるものも多くあるように思いました。ステキです。
これからも、いろいろな取り組みを進めていかれるのではないかと思いますが、今回の講座もその一助になればいいなと思いました。
みなさんの地域でも、いろんな人がいることを再認識し、いろいろな活動を行っていくなかで、災害時対応はもとより、地域での結びつきが強くなっていけばいいなと思う次第です。
ぜひ。
こちらは日刊県民福井に掲載された記事です。
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