ダイバーシティ・カフェvol.2 開催のご報告
7月18日(金)に、射水市太閤山コミュニティセンターで、第2回ダイバーシティ・カフェを開催しました。
今回の語り部は、小矢部から世界を変えているELABOオーナー山科 森(やましな しげる)さん。
山科さんのことを書いたブログ記事はこちらになります。
「ダイバーシティとやま」な日々 今日の人.29 山科 森さん パート.1
「ダイバーシティとやま」な日々 今日の人.29 山科 森さん パート.2
さて、今回のダイバーシティ・カフェは、山科さんのオリジナリティ溢れる盛りだくさんの内容となりました。
まず、山科さんが取り出したのが、「教育勅語」。
正直なところ、教育勅語自体より、「教育勅語」という単語に対して、過敏に反応する人も多いかと思います。
なにしろ、終戦後、戦前教育を徹底的に批判する方も多く、そうした流れの代名詞的な存在ともいえるのが「教育勅語」。
しかし、内容を知らないどころか、読んだことさえないのに毛嫌いするのはいかがなものか。
というわけで、まずは般若心経の写経ならぬ、教育勅語の書写から始まった今回。
みんな真剣に書いています。
教育勅語は、こちらのサイトからダウンロードもできます。
書写で、心を鎮め、今の自分を見つめなおした後、今度はガラッと雰囲気が変わって、カミング・アウトTime!
まずは、ダイバーシティ研究所の田村太郎さんの記事「自分をカミング・アウトしよう」を読みました。
『大阪市人権だよりこころねっと summer No.21』 記事より抜粋
「ダイバーシティの第一歩は?
まずはいろんな生きにくさを抱えている人に気づくこと。気づくとこれまで見えなかったものが見えるようになってきます。「この人はそうなんだ」と理解して、「自分にも生きにくさあるよね」と思えるようになります。
実は誰でも「こういうことで悩んでいる」「自分はこういう人なんだ」と誰かに言いたいんです。それを言うと差別されたり、仲間はずれにされたりするんじゃないかと思って言えない人が多いと思います。ダイバーシティはそういうことがちゃんと言える社会です。そんな社会をつくるには、勇気がいるけど、まず自分からカミングアウトするということが大事だと思います。」
この記事を読んだ後、山科さんのカミングアウトが始まりました。
子どもの頃、親から「長男なんだから」と言われていたそうですが、それを町を治める男だと思い、「いつも近所の子のリーダーでいなければならない」と思っていたこと、それが小学校5年生の時にファミコンという強力なライバルが現れ、今まで一緒に遊んでいた子たちが、みんなゲームばかりするようになって、どうしたらいいんだ、と悩んでいたこと。
また、死が怖くなったものの、「ヒーローなら死なない」のだと思い、ヒーローになりたくなったこと。それが、手塚治虫の『火の鳥』を読んでから、「死は怖いものじゃない、ではどんな生き方がかっこいい生き方か」と、今度は、生き方に焦点を当てるようになっていったこと等など…
そんな山科さんのカミングアウトを聞いた後は、参加したみなさんが2人ずつペアになって、それぞれにカミングアウトを開始。
カミングアウトする機会ってなかなかないけれど、こういう時間は、とても大事なのだと感じたひと時でした。
そして、ここで終わらないのが山科さん。
なんと!次は、演劇が始まりました。
これまた戦前の尋常小学校の教科書に載っている『小さなネジ』という物語を、今回の参加者で演じるというもの。
小さなネジのお話は、簡単にいうと、自分はちっぱけで何の役にも立たない存在だと自己卑下していた小さなネジが、自分がいないと大事な懐中時計が動かないことを知り、実際に懐中時計に差し込まれたことで、この時計が再び動き始め、こんな小さな自分でも本当に役に立っているんだと満足する、というお話です。
現代版で言うと、『しょうぼうじどうしゃじぷた』みたいなお話。
さぁ、これをみんなで役を振り分けて即興で演じます。
みなさん、すっかり役になりきって、ホントに楽しそうでした。
身体を動かすことで見えてくることがある。この演劇は、もしかしたら続きがあるかもしれませんね。
こんな風に参加者をすっかり山科Worldに引き込んだ今回のダイバーシティ・カフェ。
最後に山科さんが言いました。
今はだんだん知っているコミュニティがなくなって、おせっかいができない時代になってきた。
昔の人が大事にしてきたもの、暗黙知が急速に失われている。
自分はこれからも地域に埋もれている小さな想いを発掘していきたい。
そして、ELABOを人が自然に集まる場所にして、暗黙知を大事にしていきたい、と。
これからもそんな素敵な山科さんから目が離せません♪
第3回のダイバーシティ・カフェは8月22日(金) 18時半~太閤山コミュニティセンターで開催します。
次回の語り部は植彩セラピストうえる 石黒 亨さんです。
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