「自治体国際化フォーラムAug.2014」に掲載されました。

2014-07-31

一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)が発行する機関紙「自治体国際化フォーラム」に、団体活動が掲載されました。

コンパクトにまとまった記事ですので、当団体の活動内容を知りたい方は、まずは、こちらからお読みいただくとよいかと思います。

以下は、記事の転載分です。

掲載元アドレスは、(http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/pdf_298/16_closeup.pdf)となっています。

 

クローズアップNGO・NPO

NGOダイバーシティとやま
宮田 妙子/ 柴垣 禎

地域が輝くダイバーシティ

What’s Diversity?

「ダイバーシティってなんですか?」
この問いかけ、ダイバーシティとやまの設立以来、私たちは、幾度となく耳にしています。そう、この問いかけがある限り、私たちは、永続的に活動を続けていく使命を持っていると思っています。
私たちは、ダイバーシティとは人の多様性と、それを活かしていく地域づくりだと考えています。人は一人として同じ人がいません。かけがえのない個性。こういうと、当たり前のように聞こえますが、この違いが社会を閉塞させる原因にもなっていると考えています。
差別や偏見、これが生まれる原因はどこにあるのでしょうか?違いがあるから、差別や偏見が生まれる、そう考える人も多いかもしれません。では、かけがえのない個性から差別や偏見が生まれるのでしょうか?私たちは、そうは考えていません。それは一人ひとりの心の中から生まれるものであり、その多くは固定観念や不寛容な社会が生み出すものだとも考えています。

世界が変わる第一歩

「障害がある人=生きづらい人」というモノの見方があります。障害によって日常生活に不便さを感じている人がいることは事実です。しかし、この不便さを生み出している原因を、人ではなく社会の側にあるという考え方、すなわち「医療モデル」から「社会モデル」への変換が、その第一歩になると考えています。
車椅子を利用する人にとっては、階段があることや店舗内の通路が狭いなどにより、生活に不便さを感じることがあります。足に不自由があるから、不便さを感じる。これが医療モデルです。そうではなく、段差を解消し、通路も広く通りやすい環境づくりをすることで、障害を感じなくさせること。これが社会モデルであり、この一歩が大きな一歩になると考えています。
その次に、その「ちがい」を積極的に評価する。むしろ「ちがい」があることで優位性が生まれると見方を転換していくことで、これまで見えなかった世界が光り輝いてくるのです。

「ちがい」が発揮するパワー

さて、こうした「ちがい」とは無尽蔵にあるものですが、少しだけ具体的に考えてみましょう。
例えば、統計的には大半の家庭の財布を握っているのは女性です。となると、女性が「いいな」と思う商品と、そうでない商品とでは、おのずと売れ行きが変わるでしょう。では、女性にとって魅力的な商品づくりのためにはどうすればよいでしょうか?答えは簡単です。商品の企画から販売まで、女性の視点を入れることです。製造ラインに取り入れることも必要でしょう。
例えば、身体障害のある人は、ひとりで住んでいるでしょうか?その多くは、家族と共に生活しており、その家族が共通して持っている潜在的なニーズがあるでしょう。これを市場に還元するには、当事者や家族の社会参画が必須条件になります。こうした「ちがい」を社会が取り込んでいく、包摂していくことで、誰もが暮らしやすい地域社会へと変わっていけるのです。
「ちがい」を持った個性が社会で力を発揮するということは、支えられながら生きていくことではなく、この「ちがい」があるからこそ活かせる場に参画していくということです。

ここに住む人の全員が主役

私たちは、ダイバーシティの理念の普及啓発に努めていますが、地域に密着したフィールドを持ってこそ、最大の効果を発揮すると考えています。
企業や行政に取り組んでいただきたいのはもちろんのことなので、たくさんの地元企業からの協賛・ご協力をいただき、また自治体との協働やほかのNPO、NGOとの連携も積極的に行っています。それぞれの長所を活かした連携こそが、ダイバーシティの醍醐味であるとも言えるでしょう。

えっ!そんなことを?

「とやまのてっぺんでダイバーシティを考える夏期大学」、「ダイバーシティ・サバイバル・キャンプ」、「ダイバーシティ・ドリームプランプレゼンテーション」、「世界遺産五箇山菅沼合掌造り集落ブルーライトアップ」、「ちがいを活かす多文化共生」など、聞くだけでワクワクするような企画をたくさん実施しています。
「とやまのてっぺんでダイバーシティを考える夏期大学」では、富山で最も標高の高い立山山頂で1泊2日の宿泊登山をします。新月の夜に、満天に輝く星空のもと、富山平野に広がる夜景を見ていると、本当に小さな違いにクヨクヨしている自分を発見します。小さな違いに囚われていては、「ちがい」を活かすことができません。大きな視点で、物事を相対化して捉える。こんな気付きも生まれます。
「ダイバーシティ・サバイバル・キャンプ」は、ほぼ自給自足、水は山からの湧き水、電気は小型水力発電で賄っているフィールドでのキャンプです。食器づくりに始まりヤギの乳搾り、生きている鶏を捌いてのハラール・カレーを食べるキャンプでは、生物多様性も人の多様性も等しく大切なものだと実感します。
「ちがい」があるからこそ発揮できる未来の夢へのプレゼンテーションでは、その「ちがい」があるからこそ描ける圧倒的な感動に涙します。
詳しくは、私たちのホームページにありますが、どの企画事業も富山というフィールドを大切にし、さまざまな「ちがい」を持つ地域の人たちが主役になっていくことを第一に、これからも応援していきます。

 

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NGOダイバーシティとやま
〒939-0362  富山県射水市太閤山7の25
E-mail:diversity.t@gmail.com
ホームページ:http://diversity-toyama.org/
ブログ:http://blog.canpan.info/diversityt/



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