12月, 2018年

緊急企画!外国人労働者が入ってきたらホントのところどうなるの?生き残れる地域社会にするにはどうしたいいの?

2018-12-15

2018年12月8日の出入国管理法の改正案成立を受けて、緊急セミナーを開催しました。
告知後、間もない開催で、しかも平日の18時スタートにも関わらず、20名もの方にご参加いただき、改めてこの法案に対する関心度の高さを垣間見た思いです。

~各種メディアではいろいろ報道されてはいるものの、今ひとつよくわからない。でも何だかとてつもないことが起きてしまいそうで、少し不安だ。正直なところ、そういった正体のつかめない曖昧模糊としたものと対峙したときのえもいわれぬ足元の危ういような感覚に陥る。そんな感じではないだろうか。

こうした不安感や恐れがそのまま外国人住民へと向けられてはならない。日本社会がどのような現状にあり、外国人住民を巡る諸事情がどのようになっており、ともに地域で暮らすことになっていく(なっている)のかということを、正しく伝えていかなければならない。~
そうした思いでこの緊急企画のセミナーを開催いたしました。

第1部では、外国人住民を巡る現状について、そして今回の法改正の内容について、日本社会が直面している危機的な状況とともに解説を行いました。
まず、基本的なこととして、人口移動というものが生じる理由、そして外国人の法的な地位、権利義務はどのようになっているのか、日本に滞在するための在留資格というものは、どのような性質のものなのかといったところの解説です。

次に、日本の産業が衰退している状況や壊滅的な危機に瀕している現状を紹介し、そのうえで、現在、外国人住民がどのくらい住んでいるのか、また、5年間で35万人の受入という規模はどの程度のインパクトをもったものなのかといったことを見ていただきました。1年で7万人ずつ受け入れていくという受入枠は、人口減少社会を迎えた日本社会にとって、拍子抜けするくらいに「焼け石に水」としか思えず、さはさりながら、これが2100年ほどまで続いていくと、労働者の3人に1人が外国人といった社会になってしまうのです。外国人も日本社会の構成員として捉えていかないと、社会保障制度など各種公的なサービスは早晩崩壊することが誰の目にも明らかでしょう。早々に制度構築しなければならないにも関わらず、「拙速だ」と片付けようとするのは、ほとんど何も考えていないに等しい拙速な理解と言わざるを得ません。

そして、人口に占める割合が、わずか2%ほどの外国人住民ですが、この2%程度の外国人がどれほど日本社会の中で大きな影響を及ぼしているのか、さまざまな角度で検証していきます。
例えば、日本国内での人口移動。この転入転出人口に占める外国人の割合は2%なんてものではない。20%どころか80%になっているところもある。外国人住民の受入がなければ、立ち行かなくなっている地域が確実に存在しているのです。そして、県単位で眺めてみても、日本人は増加しているが、外国人が減少している地域、年代別に動き方がシンクロしている様子などをみると、面白い傾向があることが想像できる。例えば、日本人も外国人も増加している地域がある一方で、日本人も外国人も減少している地域もある。日本人にも外国人にも見捨てられる地域とは、どういうものなのか、当該地域においては、真剣に考えてみなくてはならないだろう。
これは、何も外国人だけのことでなく、子育て世代が暮らしやすいところや、高齢者や障害者が暮らしやすい地域が現実に選ばれている、または、捨てられていると受け止めなければならないことでしょう。

最後に、今回の法改正に照準を合わせて、現在の外国人労働力がどのような状況にあるのかといったあたりを概観しながら、どういう在留資格を持ちながら、永住化(すなわち日本社会の構成員となること)が進んできているのかという解説です。
改正法案は、詳細が省令に委ねられている部分がとても多く、今後、どのようになっていくのか不透明な部分はあるものの、現在、明示されている部分だけを見ても、言葉は悪いですが、事実上「10年間の使い捨て労働力の確保」にばかり執着した結果と見てもいいでしょう。
「なんと!それはけしからん」と、ここで終わってはいけないのです。真の問題は別のところにあるのです。
北日本新聞記事で、要点を押さえて記事に掲載していただいてます。当該部分を引用すると、次のとおりです。

—–ここから—–
多文化共生マネージャー全国協議会(大阪)の柴垣禎理事が、人口減少の現状などを説明。外国人技能実習生は新在留資格「特定技能1号」への移行で計10年間活動できるようになるが、企業が「とりあえず人がいれば」という発想で技能実習制度に頼り、問題を先送りするのは「日本の課題だ」と指摘した。
—–ここまで—–

また読売新聞富山版でも連載記事の一部に今回のセミナーが取り上げられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北日本新聞12月14日                             読売新聞12月15日

 

 

第2部では、グループワーク形式で、参加者のみなさまがそれぞれで捉えている地域の課題や、目指すべき地域の姿、そのアプローチ方法等、さまざまな意見が飛び交いました。
第1部の講義を受けて、外国人住民から恩恵を受けているわけだから、社会全体はもちろん、企業も受け入れに必要となるもの・ことを負担し、互いにメリットを享受し合える関係を構築していかなければならないといった非常に建設的な意見も提出されました。
ワークでの意見は、とても書ききれませんが、参加者のみなさんだけの特典ということで、ここでは割愛させていただきます。みなさま、本当にお疲れさまでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、緊急開催だったこともあり、セミナーに参加できず、追加開催を求める声も届いております。心よりお詫び申しあげます。大変、失礼いたしました。
またの機会ができましたら、早めに開催告知をいたしたいと思っております。
ご参加いただいた方、所要により見送られた方、日頃よりダイバーシティとやまの活動に注目してくださり、誠にありがとうございます。
引き続きのご支援、よろしくお願いいたします。

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