9月, 2014年

とやまのてっぺんでダイバーシティを考える夏期大学2014「三山縦走で新月のダイバーシティを貫く」編の開催のご報告

2014-09-27

 

好天に恵まれたダイバーシティとやまの活動ですが、この「とやまのてっぺんでダイバーシティを考える夏期大学」は、2012年に開催した第1回の感動の夏期大学のあと、昨年は台風直撃にて中止、今年2回開催予定としていたところの第1回のAコースも台風襲撃にて中止と、山の天候の厳しさを実感していたところでした。
今回も台風16号が通常進む進路であれば、がっつりバッティングしそうなところ、北向きに進路が逸れ、なんとか持ちそうか!?という状況下での開催となりました。直前の予報では、当日の天気は晴れ、2日目は崩れるとの予報でした。

快晴の中での夏期講座の開講。前日の夜更かしを若干気にしつつも、紅葉の始まりを迎えている弥陀ヶ原を車窓から眺めつつ、ゆらゆら揺れる高原バスの中で貴重な睡眠を取りつつ、標高2450m室堂ターミナルに到着です。まずはトイレ休憩と、玉殿の湧水での水分補給からスタートです。水、食事、トイレの3点セットが、生きていくうえで意識していく基本の部分かもしれませんね。

さて、今回の夏期大学の講義コースは立山三山縦走コースです。

いわゆる立山とは、雄山、大汝山、富士の折立の3つを総称した名称ですが、これらを狭義の立山三山と呼ぶ場合があります。しかし、一般的には、浄土山、立山、別山の3つを総称して立山三山と呼んでいます。
古くから信仰の対象となっている立山には、今回の浄土山はじめ、地獄谷や地の池地獄など宗教的な名称が多々あります。最高峰の大汝も「おおなむち」即ち大国主または大物主とも言われています。そういう信仰のことはさておき、快晴に恵まれたことだけでありがたい気持ちになり、気分上場で、足取りも軽やかに出発しました。

 

 

まずは浄土山へアタックです。私たちの気分を象徴するように日輪がお出迎え。
雄山へ向かう一ノ越ルートの途中から分かれ、徐々に勾配がきつくなってきます。「浄土山登山口」からは一気に急斜面を登ることになりますが、この「登山口」の看板を見て、「まだ登山口にも辿り着いてなかったのか」と一堂、苦笑い。
山頂の標高は2831mですので、380mほど登ることになるわけです。一歩一歩踏みしめて歩いてきた足取りも、ここからはゴロゴロとした岩場。四つん這いになったりもします。ということで、スパイダーエッチャンの登場です。すいすい登っては後続を待ち、スイスイ~待ちの繰り返し。ときには待ち時間が瞑想タイムにもなります。クンダリニーの目覚め的エッチャンです。

 

 

山頂部に近づくにつれて、五色ヶ原、そしてそれに続く薬師岳が美しくそびえる雄大な光景が目に飛び込んできます。槍ヶ岳が美しい。わずかながら有峰湖の緑も確認できます。そうするうちに、浄土山山頂、三山ひとつめに到着です。山頂から見ると、雄山の社務所がすぐそこに見えます。「ジップラインアドベンチャーがあればいいのに…」と、半ば本気の冗談が飛び出します。山頂の慰霊碑を見つつ、龍王岳への稜線を進みます。と、向こう側にはロッククライミングの練習なのか、複数人の男性が大きな声を出しつつ何やら訓練のような、もしかしたら、怪我人の搬送をしているような光景を目にします。「なにかなー」と思いつつ、歩みを進めていると、あっという間に屈強の男たちに追いつかれました。聞いてみると、怪我人を背負って運ぶ訓練をしているのだそうで、全国の山岳警備隊の実地訓練とのこと。お話を伺った方は、北海道からお越しだとか。それにしても山岳警備隊のたくましさに「私も運ばれてみたいわー」との不謹慎ながらも素直な乙女心チックな感想も聞こえました。一ノ越まで続く下りが延々と続きます。稼いだ高度を一気に戻すことになります。

 

一ノ越山荘のホットココアで一息入れ、休憩していると、通常の雄山登山ルートの「一ノ越~雄山往復」と同じくらいの疲労度だということに気付きます。ということで、日帰り参加の治子さんとはここでお別れです。「お疲れさまでした^^」と、お互いの健闘を称え、再会を約束します。

さて、ここからは言わずと知れた問答無用の急傾斜。繁忙期(?)の季節だと、「立山銀座」と言われるが如く、身動きの取れないほどの(?)大混雑ぶりなので、ほどほどに休みながら登らざるをえず、あまり疲れも感じないのですが、今回はさほどの渋滞でもなく、各自のペースでの登山が続きます。日頃、歩くことのない柴垣は、この段階ですでに足の裏が攣りそうなってきました。マズイです。

 

 

 

 

この急傾斜を6割ほど進むと、ほどほどに緩斜面になった休憩ポイントがあります。さて、もう踏ん張り。およその位置関係がわかると、やる気もUPします。

三山ふたつめの最初のピークの雄山に到着。雄山からは、山の反対側にある黒部ダムを真上から眺めることができます。いつものことながら、山頂に到着すると、汗の冷えもさることながら、急激に寒さを覚えます。ということで、1つのカップヌードルを3人で分けていただきます。やっぱ汁物サイコー。
そして室堂を左手に見ながらトラバースしつつ、三山ふたつめの2つめのピークの大汝山へ。この大汝山頂で、ちょっと楽しい山男チックなカメラマン風のサラリーマン(?)に出会います。なんでも剣沢小屋に向かうのを断念して大汝に来たとのことで、泊まる場所も決まってないとか。で、「どこに泊まるんですか?」ということになり、私たちと同じ山小屋に泊まることになります。

そして、2年前の当夏期大学の宿泊所であり、映画「春を背負って」の舞台ともなった大汝山休憩所に再会です。「僕はこの山小屋の前にはイタリアのカフェにいたんですよ。本格的なコーヒーです」と、ジョークがよく似合う大汝山休憩所のダンディーな主(あるじ)が温かいコーヒーを淹れてくれます。チョコレート付きで元気も沸いてきます。

 

三山ふたつめの3つめのピークの富士ノ折立を素通りし、岩場を下り始めます。登りが続いた後の下りは膝にきます。しっかりと足元を踏みしめながら、いわゆる立山のピークを下ると、目の前に長々と続く真砂岳の稜線が飛び込んできます。幅1メートルくらいはあるのですが、雄大なる大きさを持つ山の尾根の1メートルは、気持ちの持ちようによっては、平均台のうえを歩くような感覚にも陥ります。慎重に慎重に、足元だけをしっかり見ながら進みます。振り返ってみると、立山が美しく見えます。
ここまで来ると、今回の宿の内蔵助山荘まであと一歩です。山荘到着!お疲れさまでした!

 

 

 

 

さて、ただの登山に見えるこのコース。何が夏期大学かというと、登山そのものも大切な要素ですが、山小屋での山の振り返りや人生の振り返りからダイバーシティを学ぶことが実に多いのです。お楽しみの夕食を終え、夜景と星空のデザートに舌鼓を打ちます。日常を離れることによって初めて日常を知ることがある。宮田のリフレソロジーで疲れた身体を癒しつつ、心のワークが始まります。
ということで、今回は「特番ダイバーシティ・カフェinクラノスケ」開催です。「えーっ!人に語るようなことは何もないですーっ!」と、えっちゃん。しかし、ここは宮田マジックの本領発揮。「あっ、そうか思い出しました」、「聞かれているとだんだん思い出すものですね」と、過去の体験やそのときの心情が詳らかに!続きは、「ダイバーシティとやまな人々」へどうぞ(笑)

そんなこんなで、就寝時間を過ぎてお話をしていると「就寝時間になってますよ」と注意され、「修学旅行生か、わしら…」と反省。

夏期大学2日目の朝は早いです。5時前からご来光のスタンバイ。
イベントすべてが天候次第のこの大学。運任せのようであり、緻密な企画のようであり、ともあれ強風の中、ご来光を待ちます。
ここは解説不要です。

写真をお楽しみください。今回は富士山も眺めることができ、1粒で何度も美味しいダイバーシティとやまの企画らしくなりました。こっち側に日本海、富士山のあっち側が太平洋。日本って小さいね!と実感。

 

 

 

 

 

 

さて、5時半からの朝食で、しっかりエナジーチャージしたあとは、最後の三山の別山に向かいます。ここから先は、人もまばらで数人のパーティだけの世界。朝の澄んだ空気の中、なだらかな下りの稜線のあとに登りの稜線、そして、やや勾配のきつく足元の悪い登りを進みます。

 別山山頂では360度の大パノラマが開け、これまでの登山ルート、これからの登山ルートが見ることができ、何よりも剱岳が目の前。圧巻です。しかし、何故かこんなところでも携帯の電波が届くようで、リアルタイムの状況をfa

cebookにUP!みなさまにタイムリーにご報告するのもダイバーシティとやまの信条です。

別山からは、再び稜線を歩きながら、剱御前小屋まで行き、ここからは雷鳥沢に向けて、一気に下っていきます。この足場の悪いこと悪いこと、何度か滑って転びそうになります。やはり登山にはポールがあるといいですね。雷鳥沢の名前のとおり、雷鳥との出会いが多いはずなのですが、出会いのシーズンではないようで、今回は羽ばたく雷鳥らしき鳥影を一瞬、見ただけでした。この下り坂、昨晩の延長戦とばかりに、えっちゃんとの対話が続きます。瞑想とは何か、悟りとは、日常を相対化するとは、そして釈迦の有名な「答えないことをもって答えとする」ということまで。と書くと、何やら高尚な大学講義のようですが、好きな男優や女優、中高生のときに部屋に貼っていたポスターは何か?みたいな下世話なことまで、延々と続く下り坂に同調しない下らない話も続きました。
下山途中、背丈の低い木立の中を進む登山道も通っていきます。この木立、見事な紅葉だなーと、目線を見上げ、周囲を見渡してみると、このあたり、とても紅葉が進んでいます。というか、昨日より今日、今日の朝よりも今の方が、より赤々と鮮やかです。刻々と表情を変えていく秋の深まりを身をもって体験しています。この生きている自然との一体感、臨場感は、なんともたまりません。

雷鳥沢キャンプ場まで降りると清涼な水の流れる称名川の源流があり、季節が季節なら飛び込みたい衝動に駆られますが、疲れを癒しつつ、小休憩を取ります。ここでしか出会えない冷たくて綺麗な水ですね。ここに来て、パラッと小粒の雨が何粒か落ちてきて、「さぁ、もう行くよ、もうひとふんばり!」と、天からの励ましの声が届けられたようでした。

 

 

雷鳥沢ヒュッテのあたりからは、足元は整備された歩道が続きますが、歩きやすい道であっても登りはキツイです。そして、硫黄のガスがもうもうと流れてきます。血の池地獄、リンドウ池を眺めつつ、みくりが池温泉で最後の小休憩です。疲れた身体にアイスクリームの甘みが染み渡ります。そして、ガスの切れたライターを持ってきていた柴垣は、ここで疲れた身体にニコチンを染み渡らせます。(笑)

室堂に戻ると、今回のコースを振り返り、それぞれの場所でのそれぞれの想いを振り返ります。この「かみしめ」こそが、今回の夏期大学の最高のひとときです。ちなみに、この「かみしめ」というキーワードに秘められた謎は、参加者だけの特典です!

ちなみに、ケーブルカーを降り、立山駅舎を出た途端、雨が降り始め、「待っていてくれたんだなー」と、小雨と感謝の気持ちに包まれながらの終講となりました。

ダイバーシティ・凸凹(でこぼこ)・キャンプin島尾海岸~みんな ちごとるがで いいがやちゃ~開催のご報告

2014-09-04

8月29日、30日に氷見市島尾海岸キャンプ場で、「ダイバーシティ・凸凹(でこぼこ)・キャンプin島尾海岸~みんな ちごとるがで いいがやちゃ~」を開催しました。

15時頃からユルユルと参集です。
凸凹キャンプらしく、年齢、性別、国籍そして経験や背景も多種多様なキャンプになりました。ヒトの他にイヌも参加。おまけに天候も晴れ~曇り~雨と天気まで多様に楽しむことができました。

海岸でのキャンプですので、やや気温は低いものの、子供たちは元気に海辺で遊びます。キャンプ場で水着を干すのも何故だか時間がのんびり感じられていいものです。閑さや水着にしみいるセミの声って感じ。風流だ。

 

 

そして、キャンプですから、何はなくとも、まずは焼き物です。
火は慌てても点きません。自然のペースで細い焚き木から太い薪へ、そして炭へ火を移していきます。いい塩梅に火が熾きたところで漬けダレに漬かった肉を焼き始めます。炭火らしく高温でカリッと香ばしく調理が進みます。
焼いている間は、炭や焼き物を見ながらのおしゃべりタイムとなります。
普段は、意識しなくても相手の表情を見ながら話す話し方に慣れてしまっていますが、夕闇が迫ってくると、自ずと視線は温かな火へと移っていき、心もほんわりしてくるものです。これには一種の瞑想効果がありそうです。

 

 

 

 

今回のキャンプのシェフは柴垣が務めました。彼曰く、いろいろと手順やこだわりがあるようで、バーベキューを任せてもらう以上は口出しさせないとのことでしたが、結果的には、参加者みんなでわいわいと調理を楽しみました。火加減を調節する人、焼き物を返す人、野菜を切る人、そしてナント、準備した材料を転用して独自料理の披露もありました。モンゴルの彼、若いのにとても料理上手です。

 

 

 

 

夜も進み、お酒も進み、会話も進んでくると、話があちらこちらに飛んでいき、予想もしない会話の累乗効果で笑いの渦が発生します。
「日本ではマイ箸を腰に差す」トリオのショット。日常ではありえない光景でしょ!
ダイバーシティ・ワークショップもあるにはありましたが、あまりにも会話がダイバーシティ過ぎて、もはや場の収集がつかなくなっています。さぁさぁ、バーベキューの〆はラーメンですよ!^^

 

 

 

そんな空気に夜の帳を下ろしてくれたのが宮田の三線の音色。ぐるぐるダイバーシティ状態が、しっとりと穏やかな心地よさに包まれます。日常生活ではあまり耳にすることのない音ですが、海辺で聴くと、なぜだか懐かしさと涼しさを感じます。命の儚さと、それゆえの美しさが参加者の胸を去来し、今、生きていること、生かされていることに自ずと感謝してしまいます。
子供たちは、見たことがない楽器に触れ、楽しそうです。

 

 

 

 

翌朝、眩しい陽の光がキャンプ場に射し込みます。さまざまな背景や個性を持った者たちが一同に介したダイバーシティ・凸凹・キャンプ。ちがいがあるからこそ楽しむことができる。そしてまた、新しい今日という日に向けて、それぞれの道を歩み出します。

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